Fig-8. Environmental Creation Image by the Marine Corridor in the Osaka Bay 1)
極集中、国土構造における東京一極集中と何ら変わりのない大阪一極集中構造である。そして、そのサブシステムとして京都や神戸がある。阪神・淡路大震災は、このサブシステムのひとつに壊滅的被害を与えた。被害は地域にとどまらず、広域交流や広域通勤が日常的に行われ、広範な産業連関が成立しているネットワーク社会ゆえに、全国的・国際的にも大きな二次的被害が波及した。
私達は、大阪圏において活動を行っている限りにおいては、大阪圏中心の発想から脱却しにくいが、目を転じてみれば、淡路島や紀北地域には、極めて優れた自然や歴史文化資源があり、すばらしい「人財」が存在し、多くの開発余地が残されている。
このような地域の特性を大切にしつつ、生命のインキュベータであり、生物の多様性の宝庫であり、人間にとっての環境財である大阪湾の環境の保全と創造を図り、その大阪湾を共通の財産とする大阪湾環状都市の形成に、また自然災害に強い将来都市構造づくりのために積極的に取組んでいく必要がある。
〈参考・引用文献〉
1)大阪湾新社会基盤研究会(1996)。パンフレット『0SAKABAY AREA MARINE CORRIDOR PLAN』
2)村田武一郎(1995),「大阪湾の環境」保全と環境創造構想,(『環境技術V0L.24』、環境技術研究協会)
3)近藤健雄・村田武一郎・細田龍介(1995)、「マリン・コリドールと大阪湾の環境創造」(『大阪湾シンポジウム論文集』)
4)大阪湾新社会基盤研究会(1994),『大阪湾の環境創造への提言』
5)大阪湾新社会基盤研究会(1996),『海域環境創造事典改訂版』,沿岸域環境研究所
6)村田武一郎・細田龍介・近藤健雄(1994),「マリン・コリドール構想-大阪湾ベイエリアの機能高度化を目指して」(『日本計画行政学会第17回全国大会・研究報告論文集』,日本計画行政学会)
7)海外環境協力センター(1993),『アジェンダ21-持続可能な開発のための人類の行動計画(’92地球サミット採択文書)』,エネルギージャーナル社
8)運輸省第三港湾建設局(1988),『大阪湾環境図説』
9)大阪府水産試験場(1986),『研究報告第7号』
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